筆を手に取り、色鮮やかなペイントを施し、「世界にひとつ!あなただけのミニチュアが今、あなたの手の中に!」と、すぐにでも素晴らしさを実感していただきたい気持ちは山々なのですが、何事にも準備は必要です。

この項では、ミニチュアに綺麗なペイントをする前にしておきたい、いくつかの工程をご紹介します。

今回は我がジャイアントホビーオリジナルゲーム「DORASURE」に登場するメタル製ミニチュアを使用例として説明していきます。

 

パーティングラインを処理する

 

 

 

では、早速参りましょう。

写真の帽子に走る線をご覧ください。

ミニチュアにはほぼ必ず「パーティングライン」と呼ばれる、このような出っ張りがパーツ成型時に生まれてしまいます。

これは本来のミニチュアの造形とは関係ない、意図せず出来てしまった部分なので、これを処理していきます。

こいつが何の処理もされずにそのままになっていると後に説明する「ウォッシング」や「レイヤリング」の時に変に目立ってしまうので、よく観察しながら綺麗にしていきましょう。

しかし、このラインが目立たないよう、緻密に計算されたすばらしいミニチュアもございます。素敵!

それでは実際にやってみましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティングラインが確認しやすい向きに持ってしっかりと指でミニチュアを固定し、模型用の鉄ヤスリを使ってパーツに沿って丁寧に削ります。

 

 

 

 

 

 

凹凸が多い箇所や、ヤスリの入らないような細かい箇所は、デザインナイフの刃を面に対して垂直に当て、カンナがけのようにカリカリと削ります。

メタル製のミニチュアと聞くと、硬くて難しそうなイメージを持ってしまいそうですが、パーティングラインを処理するくらいであればサクサクと削れるので、あまり身構えずいきましょう。

しかし、刃物や尖ったものを扱うので、ケガにはご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティングラインとはまた別ですが、バリのようなものがパーツにくっ付いている場合があります。

小さいものであればヤスリやデザインナイフで処理してもいいのですが、無理に力を入れるとミニチュア自体を傷つけてしまったり、手をざっくりと切ってしまうこともあるので、ニッパーで切ったあとに少しずつキレイにしましょう。

 

 

 

 

また、必須ではありませんが、メタルやレジン製のミニチュアの場合、ここまでの工程が終わったら最後に、なるべく細く、やわらかいワイヤブラシで磨いて、表面のこなこなしたものを落としてあげます。

ペイントに入る前にこれをしてあげると、ペイント中・ペイント後の塗料の剥がれ等が起きにくくなりますし、軽く表面をならすことで塗料の食いつきも良くなります。

しかし、だからといって力の限りガッシガッシとこれをやってしまうとせっかくのミニチュアが傷だらけになってしまうので「繊細かつ大胆に」くらいの気持ちで行いましょう。

プリンスも心なしか嬉しそうです。

さて、これでパーティングライン処理ならびに表面処理が終わりました。

もし仮に、この後行う下地塗装や実際のペイント中に処理し忘れたパーティングラインやバリが残っていても、リカバー出来る(もしくはあまり目立たない!)のがミニチュアの良い所なので、あまり神経質になりすぎず気楽にいきましょう。

この工程でじっくりミニチュアと向き合うと、これからペイントをするミニチュアへの期待がより一層高まること間違いなしです。

下地塗装をする

 

 

カリカリとパーティングラインを取り、表面も綺麗になりました。

では、ペイントには欠かせない、「プライマー」、「サーフェイサー」を塗装して参ります。

「プライマー」はこれから塗る塗料の食いつきを良くし、剝がれにくくしてくれるもので、「サーフェイサー」は色を均一化し、細かい傷などを目立たなくしてくれるもの、くらいに覚えておけばひとまず間違いないはずです。

今回実際に使用するものもそうですが、「プライマー入りサーフェイサー」として一緒になっているものが多く、それを使えば一工程で済みますが、もちろん一緒になっていないものもあるので気を付けましょう。

 

 

 

 

「何か下にくっ付いてるぞ!?」

 

ペイント中のミニチュアの持ち手として、今回はペットボトルの蓋に両面テープでくっつけました。

完成時に見えなくなる(または目立たない)ところにピンバイスで穴を開け、真鍮線を通して持ち手に、さらにその真鍮線をコルク等に刺す、などの工夫をするとペイントが楽になります。

ですが、「ミニチュアペイント」に特化した塗料の多くは乾燥が速く、乾燥後は剝がれにくくなり、持ち手なしでガシガシと塗ってしまえるので、お好みでどうぞ。

今回は「ウォーゲーマーがミニチュアをより簡単に塗装できるように」をモットーに、デンマークからやってきた「アーミーペインター」シリーズの筆塗り用プライマーを使用します。



 

 

 

 

 

 

まずはボトルをよく振り、パレットに出しましょう。

色々な流派はございますが、ジャイアントホビーでは、パレットとして「アルミホイル」、筆についた塗料や水を落とす「キッチンペーパー」、塗料を薄める、筆を洗う、といった用途の水を入れた「プラカップ」、を「ペイント三種の神器」として使用しております。

「簡単に、手軽に、誰でも出来るミニチュアペイント!」がジャイアントホビーのモットーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プライマーは水で薄めず、そのままの濃度で筆に含ませます。

パレットの上で軽く伸ばすように筆に含んだ塗料を調整します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザバッと塗っていきます!

細かいところが埋まってしまい、モッタリしてしまうことがあるので、筆に含ませる塗料の量に注意しましょう。

一度で一気に塗りきろうとはせず、少し乾いたところに2、3回重ねていくような感覚で塗ると綺麗に仕上がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥まった細かい部分などは見落としがち。

大きな筆が入らない場合は面相筆など、細い筆を使ってしっかりと塗ってあげます。

プライマーの塗れていない箇所がないように均一に塗れれば完了です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こまめに筆のお手入れを!」

 

筆はこまめに洗いましょう。

筆に含んだ塗料がまだ完全に乾いていなければ、用意した水に入れてバシャバシャするだけでも綺麗にすることが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にキッチンペーパーで毛先を整えてあげれば完璧です。

軽く押し付けつつ、水気をとるようにして筆の根本についた塗料も落としましょう。

この先の過程でも、綺麗にペイントをしていく為には大切なポイントなので、筆先を綺麗に保つことは意識してあげましょう。

下地処理が終わりました。

ペイントをする準備が整いました。

ミニチュア全体がマットな色で均一になっただけではありますが、かなりテンションが上がってきたのではないでしょうか。

次のページではいよいよペイントに入っていきます。楽しんでいきましょう!

メタルプライマーとカラープライマー

まだ終わらない下準備編!

「下準備編どんだけ長いんだよ!?」って感じですが、最後にもう少々お付き合いください。

 

必須でない上にメタルミニチュアだけのことなので手順としてはご紹介しなかったのですが、今回のプリンスには「メタルプライマー」をサーフェイサーの前に塗っています。

 

 

 

 

 

 

写真ではわかりにくですが、「筆塗りタイプ」は全体に筆で塗るだけ。

表面にもう一層塗膜が形成されることで、メタルへの塗料の食い付きが良くなります。

メタルミニチュアはその性質上、先端部分などの塗料が剥がれやすいため、サーフェイサーを塗装する前にこの「メタルプライマー」でコーティングしましょう。

「スプレータイプ」もあります。

ミニチュアの大部分を同じ色でペイントすることが決まっているのであれば、「カラープライマー」を使うという選択肢もあります。

20~30センチほど離れた位置から吹き付けて乾燥を待つだけ。

吹き付ける距離が近すぎたり、たくさん吹き付けてしまうとディティールが甘くなってしまうので慎重に。さらに雨の日や、湿気の多い日も失敗しやすいので注意。

そして換気のよい場所で使用しましょう!